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トライアスロン皆生大会参戦記

出発の4日前、朝日放送の「ごきブラ」でサロマ湖100キロマラソンの模様を見た。
今年、番組からはサブロー師匠と薄毛芸人ギャロップ林が参戦。

最長でハーフしか経験のない林が激痛に耐えて真摯に走る姿を見て心を打たれた。
テレビの前で涙が出た。
(残念ながら、55キロ地点で時間切れとなり、リタイアされましたが・・・)

「俺も絶対に歩かんとこう!」

心に誓った。

レース前日は余裕をもって、朝8時ごろに家を出発。
3時の開会式&競技説明会に間に合えばよい。

3連休のせいか、高速1000円のせいか、とにかく大渋滞。
結局、南インターから中国豊中まで4時間もかかってしまい、競技説明会にも20分ほど遅刻。
宿泊先のホテルでもタイミング悪く給水管のトラブル。
朝まで断水のため、水洗便所が水洗ではなく、肥溜めと化した。
なんか、いろんなことがツイてない。

前日の緊張やらケチついたことやらが嘘のように、レース当日は気分もよく落ち着いていた。

体調もばっちり。

バナナ2本とパワーバー1本を腹に収める。

子供が寝静まる中、姉に見送られ、ヨメにクルマでスタート地点付近まで送ってもらった。
あぁほんまにほんまにもうすぐ始まるんやなぁ・・・

バイクラックにバイクをセットし、荷物置き場にバイクグッズ、ラングッズを置きに行く。

セットされたバイクを眺める。
シーポとトレックが多いなぁ~

そうこうしてると入水チェックを促すアナウンスが・・・
あわててスタート地点に向かった。

スタートまで少し時間があったのでウェットスーツを着がてらウォーミングアップ。
波もほとんどなくエエ感じ。
今までのように、ウォーミングアップで疲れるということはない。
なんせ3回もスイム練したんやから(爆)

そろそろ長いレースが始まる。

皆生は号砲とともに選手が砂浜から走り出すという伝統的なスタイル。
もちろん、バトル軽減のために何班かに分けてスタートさせるウェーブスタートではない。

知らないおじさん、多分、米子市長の号砲で850人が一斉に走り出す。
バトルが尋常じゃない。
頭どつかれるわ、平泳ぎのやつに蹴られるわ、足首つかまれるわ、もう大変。
芋の子を洗うっちゅうのは正にこのこと。

こういったスタート直後のバトルはどの大会でも経験できることやけど、こんなんが延々続くわけで、これは参加人数の少ない大会では経験できない。

最初は控えめにおとなしく泳いでたけど、こいつらに合わせんでもええ、と思い始めてぐるぐる肩をまわす。

今までの俺とは違う!
レース前に3回も泳いどんねん。
なめとったらアカンで!

やはり3回も練習したからぜんぜんバテへん。
むしろ気持ちいい。なんぼでも泳げそうな気分。

数々のバトルをくぐりぬけて泳ぎ続けていると、岸に上陸。
えっ?もう終わり?3キロって意外とあっさり終わるんやね。

時計を見たら30分。
折り返しかい!

で、すぐに入水。

後半も相変わらず激しいバトルをくぐりぬけ、バテることなく、意外とあっけなくスイム終了。
家族の姿は無し・・・。
ゆっくり朝食を食べていたとのこと・・・

スイムアップはちょうど1時間ぐらい。
バイクもまだまだ残ってる。

公式記録では59分26秒 369位


ヘルメットをかぶり、バイクシューズをはいて、バイクにまたがり、いざ出発。

Img023


バイクスタート時、天気は曇り。

暑くはない。

別に必死こいてこいでるわけじゃないけど、周りのペースが遅い。
みんな流してんの?
145キロもあるしのんびり行ってんの?
ランのために温存してんの?

前半30キロぐらいはけっこう抜いてめちゃめちゃ勘違い。
もしかしてそこそこ速い?

でもなんか嬉しいんやなぁ。ようさん人おって。
いつも一人でこいでるし、自分がどれぐらいのレベルにいるのかとかぜんぜんわからへんのよねぇ。
30キロぐらいまではほとんど抜かれることなくいたって快調。
まぁ無理やろうけど、このまま行けたらけっこうすごいやろなぁ。
別に僕が速いわけじゃない。大してスピード出てへんし・・・。

皆生大会は他の大会とは違って、大会のために車両通行止めにする措置はない。
バイクこいでる横で普通にクルマも走ってるし、競技中であっても信号が赤ならバイクを止め信号が青になるまで待たなければならない。これはランについても同じ。

すっかり平常心をなくして、がんがん突っ走る。
下りも恐れることなくノーブレーキ。

おかげで順位もけっこう上がったように思えたけど、世の中そんなに甘くない。
ここに来て練習量の少なさが露呈してしまった。

懸念していた右ひざが痛みだした。
左足のように強く踏み込めない。
この時で60キロ地点ぐらい。

できるだけももを上げてこぐことを意識。
平地と下りはなんとかしのげる。

問題は上り。

珠洲の大谷峠のような気が狂いそうになるほどの上り坂はないにしても、皆生のコースはとにかくアップダウンがきつい。

他の選手が普通に座ってこげる上り坂でも、立ちこぎ。
座ったままだと踏み込めないので、立ちこぎしてペダルに全体重を乗せて強引にバイクを進ませる感じ。
とにかくつらい。

スペシャルドリンクを預けていたバイクコース最大のエイドステーションでメロンやスイカを食べてちょっとだけ疲れを癒す。
預けていたスペシャルドリンクを受け取り、口にする。
預けていたのはお助けグッズその1、トップテン。
パワージェルをさらに濃くした感じ。
もうぜんぜん欲してない。
多分、後半のことも考えてこういうのを飲んどかんといかんのやろうけど、ぜんぜん欲してない。
結局、携帯していたパワーバー3本も食べる気になれず、1本目の半分を食べただけ。
バイクの終了までに口にした補給食はパワーバー半分、パワージェル3つ、MUSASHIのドリンク2本。
エイドで受け取ったドリンクはほとんどがコーラと麦茶。
麦茶が一番おいしい。
バイク終盤になってくると、スポーツドリンクすら飽きてきた。

距離がなかなか伸びない。
体じゅうのあちこちが痛い。
右ひざも痛いし、手のひらも痛いし、首も痛いし、何より腰が痛い。

追い打ちをかけるように時折豪雨になる。
路面が濡れ、制動距離が3倍増。
下りでも怖くてスピードは出せない。
最後の頼みの綱の下りでもスピードを殺して走らなければならない。
万事休すか・・・。

このままなんとかバイクフィニッシュできても42キロ走れるんかいな・・・

弱~い自分が出てきて、嫌ぁ~なことも考え始める。

なぜか、皆生のバイクコースには距離表示が一切ない。
多分100%の選手がサイクルコンピューター使ってるにしても、ちょっと知りたいがな!

全身の痛みに耐え、少しずつ距離を重ねる。

バイクに乗りながらの腰を伸ばす動き、この回数が激増する。
ひざも痛いけど、腰もいたい。
DHポジションでこげない。

進まない。遅い。抜かれまくり。

そんな、くじけそうな時に一人目の神がいた。
はげのおっさんやったけど。

あと5キロ、というプラカードを持って選手に声をかけていた。
こういうのを待ってたんや。

サイクルコンピューターの距離表示は120キロぐらいだったと記憶している。
もしかして、前車の26インチのタイヤ周長のままやったんか?
この反対はきついけど、まぁ嬉しい誤算か・・・

なんとか最後の力を振り絞って、バイクフィニッシュ。

もう足は棒のようになっている。

バイクフィニッシュ時点での公式記録

バイクタイム 5時間35分59秒 バイク順位 356位
スイム+バイクでの順位 347位

Img024


苦痛のバイクをなんとか終わらせ、残すはランだけ。
だけ、とゆうても42.195キロ。すぐに終わる距離じゃない。

ウェアのポケットにカーボショッツ4つを入れて出発。
お助けグッズその2のクランプストップは不覚にも忘れてしまった・・・

ここで2人目の神が出現。(一人目ははげ親父)
なんとも心憎い演出をしてくれた。

足はぜんぜん痛くない。
バイク時に悲鳴をあげそうに痛かったひざが痛くない。
走れる。

天気は相変わらずで、降ったりやんだり。
日は照ってないけど、カラダは熱い。
最初のエイドステーションが遠い。

ランももちろん交通規制はきっちり守らされる。
赤信号ではストップ。
これがけっこうだるい。

交差点ごとに信号につかまる。

エイドステーションごとに立ち寄り、その度に献身的なボランティアの皆さんに感動させられる。

エイドステーションがなかったら絶対に完走でけへんやろな。
あれは、ただの給水所やない。
沿道で応援してくれる人、エイドのボランティアの人、こういう人らの支えがあってはじめて大会ができるんやとつくづく思う。

13キロぐらいまでは気分よく走っていた。
エイド・信号待ち以外では止まってない。

だんだん雨がきつくなる。
ゲリラ豪雨か?
バケツをひっくり返したような雨が続く。
ずっと滝に打たれながら走ってるような感じ。

で、徐々に右ひざが痛み出した。
でもまだまだ大丈夫。いける。

17キロぐらいから雨がどんどん激しくなる。
折り返し地点でも応援の人はまばら。
折り返し地点でランスタートから2時間半が経過。

足もどんどん痛くなり、左のひざも痛み出した。
でも、絶対に歩かない。
文字通り、完走、したい。途中で歩いては完走の値打ちが下がる。
アイアンマンフィニッシャーの友人の言うとおり。

2キロごとのエイドでは水分補給とエアーサロンパス。
特にひざ周りは重点的にかけてもらうようにした。

エアサロってすごい。
いくぶん痛みもましになってる気がした。
今まであんまり使ったことないけど、エアサロっていい。

エイドの楽しみは飲み物よりもエアサロ。
「エアサロありますか?」これがエイドに着いた時の第一声。

ひざも痛いし、くるぶしもいたい。
バイクもまぁまぁ地獄やったけど、ランも地獄。
雨足が衰える気配もなし。

走ってるので冷えることはないが、とにかく足は痛い。
42キロはほんまに長い。

折り返してしばらく走っていると、観戦バスツアーに申し込んでいた我が家の面々と遭遇!
体調を崩して急遽不参加となった母に代わり、姉が今回の応援に参加してくれた。
ヨメ、子供、姉の姿が車中にはっきりと見えた。
豪雨の中走っている僕に手を振ってくれている。
家族の応援はほんまにありがたい。
やっぱり力が沸いてくる。

ゆっくりでも走っていれば距離は伸びる。
25キロ・・・
30キロ・・・
35キロ・・・

痛いながらも、順調に距離を重ねていく。
抜くことも抜かれることもあまりない。

不思議と後半の方がペースがあがった。
家族の応援のおかげか。

雨やけど、ゴールの時は出てきてくれるかなぁ~、なんて考えながら・・・
ゴールの瞬間は高々とゴールテープを持ち上げて・・・
クレイグ・アレキサンダーのように、とか考えながら・・・

ほんまに長かった皆生ももうあと6キロぐらいか・・・
あと40分で終わる・・・
今日はビール呑みたいなぁ
ゴールすれば、今までのこと全てが報われる。
きつかった練習も、バイク買うために必死こいてカネ工面したことも、おっさんの趣味に大きな心で理解を示してくれたヨメと子供のことも・・・。
365日勤務のため、思うように練習できず、行き帰りの通勤時を練習に費やしたこと。
などなど・・・

このまま走り続ければ11時間台でゴールできることはほぼ間違いない。
ほぼ想定どおりのレース展開、というかむしろ出来すぎ。
ラン4時間台というのは予想よりも大幅に上回っている。

トライアスロンの聖地、皆生に憧れて・・・
ゴール地点でゴールに向かってくる選手のひたむきな姿に心打たれて観客が涙すると大昔に聞かされ、以来憧れていた皆生。
日本トライアスロン発祥の地、皆生。
あぁ、皆生。

AS(エイドステーション)まであと500Mの看板。

次は36キロのエイド。

もうすぐ終わりやけど、エアサロかけてもらおう。
エイドステーションが見えてきた。

2,3人の選手が座っている。
もうじき終わりやし、気が抜けてんのか?
ちょっと様子が違う。

おじさんが出てきて、「大会が中止になりました」と告げられる。
うそ?
「大雨洪水警報発令のため大会は中止になりましたぁ~」
冗談ってゆうてくれ。

あと6キロでゴールやで。

東山競技場で俺の帰りを待っている家族は・・・?
ゴールしたら全てが報われるのに・・・

関係者が言うには、同時刻に38キロ地点のエイドにいた人までがアウト。
それより先に行ってた人はゴールさせてあげたとのこと。
あと13分か14分早かったら・・・

36キロ地点のエイドには中海テレビのカメラがずっとまわっていた。
僕の横にいた女性は人目もはばからず泣いていた。

これほど悔しいことないけど、こんな不完全燃焼のレースははじめてやけど、しゃあない。
屋内でやってるスポーツとちゃうからしゃあない。自然には勝てへんな。

悔しくて悔しくてどうしてエエかわからんけれども、この決断は当然やと思う。
苦渋の決断やったろうと思うけど、あの豪雨やし、選手やボランティアスタッフの身の安全を考えれば、むしろ英断なのかも・・・

天候が悪いんじゃない。
誰も悪くない。
遅い俺が悪い。

あと十数分早かったらゴールできてたんや。

もっと練習積んで、出直して来いっちゅうことなんや。
まだまだ練習足らんっちゅうことなんや。

そう思うことにしよう。

というわけで、ロング完走は来年までおあずけとなりました。

いっぱい感動もできたし、ロング完走する力がついてることもわかったし、いろいろ課題も見つかったし、ゴールはできひんかったけど、いっぱい収穫ある大会になった。

全てに感謝。

来年の30回大会も必ずエントリーして、今回やり残したこともやり遂げたい。

今回のレースを振り返り、強くなりたい、心からそう思った。

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